2013年12月23日月曜日

メロメロ考♡

「とても大切な人がいて
その人はわたしにメロメロなのだ」

随分との間、わたしは ”その人からメロメロに愛されているわたし” を受け入れることができなかった



今思うと、初めてその人に出会った瞬間を除いては実際とのころ、一度もそれを受け入れていなかったのだろう

出会ったその瞬間のその愛は、それを認識をするという選択のせいで徐々にそのかたちを変え、その質さえも変化させる



愛というものについてこう考える、
愛の、そのもの本来には、そもそも質は存在しない

形状もない 

無色透明 無味無臭 量もない

ゼロ

ゼロだけど、存在している
(それは、矛盾を喚起させる存在、でもあるのだ)
ただ在ることだけを感じる存在



「認識」というものは愛を「執着」、もしくは「固執」というものに
かたちをすり変えさせ、そして質を与え、その上、本来ならば感じえない”量”を与える

愛と質は本来無関係なものなのにもかかわらず
重いとか、軽いとか、そういうこととは全然次元が違うのに、認識が勘違いさせる


相手から離れる必要が無いのに、離れなければならないと認識したり、
相手に愛されているのに、そこに自ら不満を発生させたり
(これは本当に滑稽なこと)



とにかく、

その人はわたしのことがとってもとても大切で、その人はわたしをとても愛している
わたしはその人のことがとってもとても大切で、わたしはその人をとても愛している

時間もない、空間もない

在るのは、愛の中に浮かぶ、その感覚だけ



ほら、また宗教みたいなこと言ってる
ほら、もともと変とは勘付いてたけど、いよいよ頭おかしくなったんじゃない?...なんて言われるだろうけど(笑)
もしくは、なんの話やねん!とか(笑)


とにかく、「誰かが自分にメロメロだ」ってこと
自分だって実はその誰かにメロメロなのだ


あ~これってなんて幸せなことなんでしょう~♡、なんて
へらへら考えてたりしたら、あっ!!
という間に年の暮れ! 


でもその前に、素敵な素敵なクリスマスを☆





2013年12月10日火曜日

ビズの問題

フランスには”ビズ”をするという習慣がある。

bise(s) もしくは bisou(s) と書き、これは、親しい人とか信頼する相手と、ほっぺをくっつけ合って、チュッ、チュッ、とするフランス式の挨拶のこと。
その人に会った時、もしくはじゃあねとバイバイする時も、する

何かプレゼントをあげた時も、もらった方は「ありがとう、ビズをさせて」と言って、お礼の印にしたりする。

このビズをする習慣は、わたしがフランスの文化の中でとても好きなことのひとつで、とても素敵な習慣だと思っている。
相手への好意の気持ちをお互いに体で伝え合う...って、とてもわかりやすいし、かんたんで、とても愛おしい。
相手と触れ合うって、とても動物的な行為で、とてもシンプルだと思う。
昔、親しくなり始めた女友達と初めてビズを交わしたあと、その友人が「初めてビズをしてくれたねー」と、喜んでくれて、ビズって本当に親愛関係の印なんだって体感して、この習慣ががとても好きになった。




日本にもこんな習慣があったらいいのにな、って思う。慣れると本当に自然な挨拶なので、ないとちょっとさみしかったりする。
酔っ払った帰りとか、ノリで親友(日本人)とビズしたりすると、照れくさいけど、とーってもいいもの!お互い、ビズしなくてもいいけど、したらしたで、なんかけっこういいよね、なんかこれ自然な行為な感じがするよね、って感じる。


ただいくつか小さな問題もあって...
例えば回数の問題
わたしはパリにいたので、両頬にそれぞれ1回ずつの合計2回が習慣になっているが、これは地方によって違う。友人の南仏の実家に遊びに言った時は、そこは3回の習慣だった。南仏では3回が主流らしい。
地方によっては5回するところもあるらしい(!)
問題は、回数が違うと、片方の人がほっぺた差し出したままだったりして、最初とまどってちょっとだけ気まずいのだ。「え?ああ!もう一回ね」みたいに。




はたまた、あんまりこっちはさして好意を抱いていない相手とのビズ、これもまた問題。
勢いよく頬っぺを突き出されると、たいていそんなに拒否できない。
実際に、フランス人の仲良しの女友達に、「ねーねー、やっぱコイツとはビズしたくない、とかあるの?」と聞いたことがあって、「もちろんあるよ!彼のヒゲだったら全然いいのに、このおっさんのヒゲとか
うげッ!とか思うことあるよ。」って言っていた。
わたしは幸いに、うげッ、な相手とビズする関係にはなったことがないww




そして、ボーイフレンドとのビズの場合...
別れ際にビズをする、それが頬ではなく、予期せず唇に降りる。
それは、また別の問題へと発展する。

もしくは、別れ際のビズが、いつからかキスに変わる。
それもまた、素敵な問題。


さて、このビズ問題どうしたものか...

とりあえず引き続きへらへらしておこー♡



2013年10月28日月曜日

ようこそ、セクトへ♡

★★★以前のところから、ブログを引越ししました♪
アドレスが変更しています★★★


最近、わたしはとっても、へらへらしている
前からわたしはへらへらしているように思われているかもしれないけど、
それならそれで、今は...もっとへらへらしている♡

そして最近、気の合う友人からは、
「その年で悟りをひらきつつあるんじゃない?」、とか、
「いよいよ変な宗教を始める気だね」とか言われたりして、
なんか、ちょっと変な人扱いされたりしている...ような気がする

なぜかというと、最近どんどん自分の考え方を研ぎ澄ましつつあって、
それをとっても楽しんでるからなのだと思う

その考えというのは、まとめて言うといたってシンプルで、
「自分が望んでいるものを自分自身がきちんと認識して理解するってことが、実は一番大事なことなんじゃないか」っていうこと



その自分がほしいもの(欲するもの)は具体的であればあるほどよい
なぜかというと、
「自分が何が欲しいかちゃんとわかってる」ってことは
何が今できるかがわかるってことで、
それがクリアになればなるほど、できることとか進む方向が
ハッキリと見えてくるから
つまり、自分にとっても、周りの人にとっても、
とても楽なことなのだ



自分が悩んだり落ち込んだり気分が沈んだりしてる時というのは、
自分自身が、自分の欲しいものをきちんと理解していないってことに
原因があるような気がする

自分が欲しいものとして認識しているものは
実は表層的なもので、実は奥底にある自分が本当に望んでいるものがわかってなかったりする
その表層的なものにしか目がいっていないから、
「なんか全然思い通りになってない、手に入ってない!」って
イライラしていたりする状態が多い、気がする
でも、それは、実はとても無駄なこと


結局は自分を深く理解すること、つまりそれは自分を愛してあげること
それに辿り着くのではないかと思う

で、そこまでくると、何がいいって、すごく楽!
ほんとに楽なの



そして最近のわたしはもっぱら自分の本当に欲しいものたちの掘り当て
作業に焦点をあてているのだけど、
実は昨日、一番自分が欲しい大事なものが見つかった
ここ何ヶ月かずーっとハッキリしていなくてもやもやしてたのだけど、
ベッドの中でふにゃふにゃしていると、突然にピーンと来て
「あ!そうなんだー!」って超すっきり!


というわけで、わたしは最近、へらへらしている♡(笑)
伝わるかな、この"へらへら"
どう伝えればよいか言葉が見つからないけど(っていうかそもそも伝える必要があるのかがよくわかならいけど)、とにかく、
この感覚はとても楽で、ゆるくて、楽しい

みなさんここらで一緒にへらへら教に入信しません..か♡?





それから、考えてみて、
自分の本当に欲しいものって一体、何?

2013年10月9日水曜日

どこでもドア

「どこでもドア」があったら、なんてよく言うけれど
実はわたしには「どこでもドア」で旅行に行った経験がある


そのドアには、時間の概念も、空間の概念も、ない
ただ、行きたい場所につながっている


そして実際には、世間一般に「ドア」と呼ばれているような扉状のものを開けたりくぐったりするのではなく、ただただまっすぐ時空の無い道を歩いていく感覚だけなのだ

Bog2


例えば家の前の道を、例えば職場への道を、いつものようにずんずん歩く
そして、そのうちに気がついたら、「行きたい場所」へついている

知らない間についている


3回目にパリへ行った時に、初めて、この「どこでもドア」体験をした


行きは、家の近くでお蕎麦を食べてカフェのテラスでお茶をしながら彼とぺちゃくちゃお喋りをして、そのまま彼の車に乗ってまっすぐ道を走らせているうちに、着いた
パリに
ストンと着地したのはオルセー美術館の入り口のサイの銅像の前。

Blog1


そして、帰りはパリで滞在していたホテルの周りを朝、ひとりでぐるぐる当ても無く散歩して、カフェに入って彼女に携帯でメールに返事を書いて、送信ボタンを押して勘定をテーブルに置いたあたりで、日本の家に戻っていた

Blog4


本当にこの体験はやみつきで、一回経験したら、きっとみんながとりこになると思う


時々、時空の感覚を懐かしく思って”ホームシック”になることもあるけれど、
そもそも”ホーム”という場所自体が存在しない


パリの大好きな彼女とさよならのビズをして、何回も名残おしくて抱き合って、
パタンと扉を閉める、その感覚はそこだけに宙に浮いて、存在している

Blog5


SFでも、宗教でも、ニューエイジでも、なんでも無い
不思議な出来事でも無い
頭が変だと思われても、それはそれで仕方が無いけれど

でもただこれは、紛れも無い、わたしの本当の体験なのだ

(ちなみに、時空が無いくせに、なぜか時差ボケは、時々する)


Blog3


2013年9月5日木曜日

誕生日の下着 からデザイン考

自慢したい♡
純粋にただの自慢!

この間、32歳の誕生日のために、下着をもらった

Aubade♡


わたしの初めてのAubadeは”Boîte à desir (欲望の箱)"シリーズの


黒のタンガ...

これがね...超可愛い...!


バースデーソングと一緒に手渡されて、紙袋から取り出して、


外紙をビリッて破いた時点でなんか四角いボックスのパッケージ、Auba...くらいまで見えて、きゃおっ、もしかして!


ってなって、驚きが確信に変わる瞬間に、パパーン!ってレースの繊細な、黒



...でも広げた瞬間!

あれ、これサイズ大きくない!?って


サイズ表記は、U、 フリーサイズなのに


Simg_7307_1


で、次の日の夜、試し履き...


これがね...、超最高!


さすが、サイズも計算されてる


といってもやっぱわたしには若干大きかったのだけど、


でも一般的に「どの部分で履くか」ってのがみっちり計算されている、デザイン



                          これ↓

Images


で、ここからまた、ここからわたしは「デザイン」(ここではファッションの)について思考がシフトするわけで

だいたい今の市場において、ファッションデザインっていうのは
需要に沿ってなされるのがやっぱり多いと認めざるを得ない


でもね、Aubade、履いたらね、なんというか...
デザインにこっちの体が合わさざるを得なくなる
こっちが、どうしても...合わそうとする、
それこそ、欲望に忠実なかたちで

で、今まで、”グッドデザイン”って、外見と機能さを兼ね備えたものだと
認識していたし、それなりにそういう風に習ってた

でも、これ履いてみて、変わった

ファッションに限らず、いいデザインって、多分...、
外見と機能さはもちろん基本として、
使う側がね、自分の体をそのデザインに合わせてしまう
自分の欲望とか願望とか
しかも知らないまに、ぴったりくるように
だからそのデザインは結局自分だけ、唯一のデザインになる

そして、双方が双方になじむ
自分が変わるつもりじゃないのに、素敵な感じで変わってしまう
変えたいわけじゃないのに、自然に変わってる

いいデザインって、それこそ素敵な恋愛みたいだ

それをいちいち一大事にとるかは、個人の自由なわけで
その時だけ楽しんでも、一生大事にしても、どっちでもいい

どっちにしても、素敵なこと


Simg_7250



でもさ、女の人、下着ってきちんと素敵なの、選んでるのかな?

そしてさ、男の人、それをきちんと愛でてから脱がしてるのかな?

Bonne soirée, en tout cas!!




2013年8月18日日曜日

動物的に合う関係

最近、新しく気の合う友達ができた

その人は前にわたしが住んでいた家の近くに住んでいて、その頃はよく道ですれ違ったりして軽く会釈する程度だったのだけど、最近偶然また道でばったり会って、わたしが引っ越したことなどを話したりして初めてお互い自己紹介をし、今度軽く飲みに行こうということになった


その人はイギリス人で、日本に長く住んでいるのでもちろん日本語もけっこう話せる
わたしは英語が話せない 聞くのはまだしも、話そうとすると、単語と発音がフランス語とごっちゃごちゃになって、英語が話せる人たちにはいつも苦笑、というかばかにされる...ので、恥ずかしいので、極力英語は話さない


でも、そのイギリス人の友人はけっこうわたしに英語で話しをしてくれる

もちろん多分スピードをおとして噛み砕いて話してくれているのに違いないけれど、なぜか話がよく理解でき、あんなにいつも出てこない”英語の単語”がすんなり出てきて、自分でもびっくりするほど英語で意思疎通ができていたりする(←というか、思いこんでるだけかもしれないけど)


Simg_7207_1


で、考えてみると、その友人とは年も離れているけれど、けっこう嗜好や考えることが似ている部分があって、言葉を駆使して伝えなくてもすんなりお互いの言いたいことがわかったりして、だから「英語が通じている」と感じるのかもしれない

もしくは、自分の好きなジャンルの話題の単語はすんなり入ってきたり、すぐ覚えたりできるっていのもあるのかもしれない

とにかく、わたしたちはすぐに打ち解けた


ところで、わたしにはフランスに住んでいる仲がいいフランス人の友達たちがいるが、出会った時はわたしのフランス語は今よりももっとつたなかったので、今考えるとどうやって仲良くなったんだろう、と不思議に思う

その中のひとりの女友達が、わたしにメールをくれたことがある
「変だと思うんだけどね。お互い言語が違うし、あんまり会えないけど、なんでかいつも心の中にいて、わたしたちは感覚が似てるって思う」

わたしも同じ気持ちだったのだ

同じ言葉を話す日本人でも、「こいつとは全然話できない、全然通じないな」なんて思う相手がいたりする



Simg_7234



で、この違いはなんなんだろうか、なんて考えてたら、仲がよくなる人との共通点がふと思いうかんだ


それは多分、”美味しいと思う食べ物の味、もしくは嗜好が似ていること”

なんじゃないかと思う

これは全然見当違いかもしれないし、これはわたしだけにしか当てはまらないことかもしれないのだけど、そんな気がしてならない


食べ物の趣味が似ている人といるのは、妙に楽しくて、妙に居心地がよかったりする
これって実は...「食べ物の趣味が似ている」ってことは、考えることとか感覚が似ているってところに通じてるのでは、って思う


反対に、例えばセックスとかしたとしても、その前の食事の時に”あれ?この人と食べ物の趣味合わないかも”って感じたら、その後結局は仲良くならない...極論だけど
(ってか、セックス自体も合わない...w)


Simg_7225_2



って考えると、案外単純だなーって思う

食べ物が人をつくるってよく聞くし、わたしの母親もよく言ってるけど、
食べることが肉体だけを作ることだけではないって、よくわかる


友達でも恋人でも、胃袋わしづかみは、やっぱり大事なことなのかもしれない(笑)


それにしても、大人になって気のおける友人ができるというのは、やっぱり楽しいこと
そんな人たちと美味しいものを食べたり飲んだりするのは、とっても素敵なことだ

こんなにも動物的につながって、且つ人として気が合うって、なんて愛しいことだろうか


Simg_7197


それでもやっぱり...


その動物的感覚だけじゃ物足りなくて、言語的感覚も共有できる相手となると、それはもう、メロメロなわけで♡
そして個人的には、やっぱり英語よりフランス語が好きなのだ

2013年7月25日木曜日

想像の時間

例えば、もし誰かとふたりでお酒を飲んでいたとして
その夜、すごくいい話、もしくはすごく何か素敵なことがふたりでできたとする

この日、この夜、この場所、このタイミングでしかこの話してなかったよね、とかこういうことふたりでできて嬉しいよね、的なそんな素敵なものをふたりで共有した夜

Simg_7134


で、次の日

実は相手はまったく記憶がなかった
自分には完璧に記憶がある
もしくは反対の状態(自分には記憶が無くて、相手にはある)

そういうのって大いにありえるわけで
その夜自体はもう二度と戻ってこなくて
その時に話したとてもいい話とか、その時に共有した出来事とか、
ひとりには存在するもので、もうひとりにはまったく存在しないもの

Simg_7135_1_2


でも、実は物事ってこういうことじゃないか、なんて最近考える

同じ時間、同じ出来事を共有したと思っているけど、
実際肉体はふたりそこに在ったとしても、
相手の意識はそこにいたとは 結局言い切れないわけで
片方には存在していないもの、
もう片方には存在しているものになり得る


じゃあ、もう少しぎゅーっと考えれば、それって、
自分の思ったこと、把握していることしか
現実にはなり得ないということ
それって、実はなんでも自分が想像できるってことだと思う

Simg_7138_1


なーんて、むずかしくいろいろ考えたりしてみるけど、
誰が覚えていようがいまいが
やば、幸せ♡って自分が思えることが一番だなと思う

ってか最近酔っ払って記憶を無くすことが多々あるからなーww


この日も夜中目が覚めたらテーブルの上がこの状態↓
あれ、いつの間に帰った?あれ、わたし寝てた?

Simg_7141_1




2013年6月27日木曜日

おいしい時間


家の近くだし、料理も美味しいし、スタッフも気さくで感じがよくて、しかも美味しいティラミスがあるので、お気に入りのレストランがある。何かにつけてはわたしがそこに行きたいというので、ついに「あの店は君のドラッグだね」と言われる始末。

その夜もそこに行った。

ふたりでしっかり締めのエスプレッソまで味わったところで、「ハイ、どうぞ。お店からのサーヴィスです。」と、パッションフルーツとヴァニラアイスがテーブルの上に置かれた。

「先にパッションフルーツをちょっと食べてみて、よかったらそれからそのヴァニラアイスをパッションフルーツに混ぜてぐるぐるして、食べてみてください。」


Simg_7082_2


初めて食べるパッションフルーツをそろりと口に運ぶわたしを尻目に、彼はもうすでにヴァニラアイスをスプーンでぐるぐるしている。そしてしきりに、小さい頃に好きだったコメディアンのサイン入りのポスターがそのレストランのトイレに貼ってたと興奮して話している。もちろんiPhoneでそのコメディアンの古い映像を検索し、それをわたしは見させられている。
その映像からちらっと目をはずし、ぐるぐるかき混ぜているその彼の手の様子を見ていたら、突然ふわりと妙に幸せな気持ちになった。

Simg_7084


また別の夜、久しぶりに親友とふたりきりで友人のレストランでご飯を食べていた時。
ワインをひとくち飲んで、偶然居合わせた知り合いに挨拶をしたり、前菜をつまんだり、パンを齧ったりしながら、ワインも2杯目になる頃に、彼女は少なめになったわたしのグラスにワインを注ぎながら、「初めての感じで。だから大切にしようと思って」ってある人のことを話し始める。その妙にくっきりとした、でも柔らかな彼女の口調を耳にしながら、注がれるグラスの中のワインを見ていた時、同じようにふわりと妙に幸せな気持ちになった。


一緒にいたい相手と美味しいものを食べる、そういう時間を共有するほど幸せなことはない、と思う。

足りないものを意識しない時間。もしそれを持続して自分に感じさせる人がいるとしたら、きっとその人は自分にとってとても大切な人なんだろう。

ぐるぐると混ぜるその手を見ながら、ふとそんな風に思った。

口の中でパッションフルーツのまだ若いすっぱさとヴァニラの甘さがふわりと溶けていく

Simg_7087


2013年6月15日土曜日

いい時間 : Un moment agréable





偶然にいい音楽を聴いた


いい時間は、何かのせいにしたくなる



天気がいいから、彼がいるから



この場所だから、彼女が笑うから





本当は、多分

自分が今ここに在るから、




なんだと思うけど









 





この時間のせい?



この天気のせい?



この景色のせい?



この年齢のせい?



訪れた今、いい時間



もしかして今、いい時間?










2013年6月10日月曜日

たわいもない素敵な夜、ピッツァ職人のタトゥー


駅から住宅街の方へ入った通りをただひたすらまっすぐに歩き、いつもこの辺だったかなと少し不安になった頃にそのピッツァリアの明かりが見える。
駅から10分、辺りは一人暮らし用の新しいデザイナーズマンションやファミリータイプのマンションが立ち並ぶ住宅街で、しんとしている。窓から柔らかくもれた店内の光と、外に飾ってある電飾の光を見つけたとき、ここだ、とほっとする。

たいていいつもわたしは特別なことがない限り、予約もせず行き当たりばったりに外食するほうなので、特に土曜日の夜なんかは空腹のまま何軒も回るハメになることが多い。
いつもそんな調子なので、そういうわたしを熟知する彼は最近、わたしが「あ!あそこの店に行こうよ」と思いつくとすぐさま、「はい、予約の電話を入れた方がいいよ」と携帯電話を差し出す。iPhoneで店の番号を探すのにモタつくわたしに、インターネットで探す検索ワードまで指定してきたりする。

Rue1_1


梅雨入り宣言は気のせいだというのを聞いた。テラス好きなわたしたちは、雨の気配もなく湿気もさほど感じない風が心地いい夜なので、電話でテラスを予約しておいた。

今日でこの店にくるのは4回目だが、テラスで食べるのは初めてだ。
ここのテラスはテラスといっても少々風変わりで、鉄格子で囲われて個室のようになっている。(実はテーマは懺悔室なんだそう!テラスは好きだが、懺悔室はわたしの趣味では、ない)

前回ここに来た時、神経質そうな店主とスタッフ間にはピリピリしたムードが漂っていて、カウンターで少し居心地の悪い思いをしたのだが、今日は土曜の夜で忙しくテンションが上がっているのかスタッフ全員が陽気で、何かにつけて変わるがわるテラスの様子をドアから覗いてはいちいちひと言ふた言話しかけてくる。わたしたちはその都度話を中断しては笑い返し、そのスタッフたちの様子がコメディ映画のようで、ちょっとした言い合いからふたりの空気が少し悪くなった時には、そのコメディアンたちはわたしたちを苦笑させ、話題をピッツアに戻させた。

Pizza1


ビールで乾杯して、サラダを取り分けて、少し言い合いをして、赤ワインを飲みながら特別に半々で作ってもらったトマトベースのピザと4種類のチーズのピザを切り分けて、
ピッツァに載っているめずらしいちょっとクセのある野菜が美味しくて、うんうん美味しいと言い合い、さっきの言い合いにお互い少し謝りあって、少し冷めた残りのピッツァを全部食べた。


話しながらゆっくり食べたのでけっこう満腹になり、でもデザートは選ぶ。
ふたりともティラミスが大好物なのだが、あいにくその店にはティラミスがない。ないもんだから、ティラミス!、ティハミスゥ!などと調子に乗っていろんな発音で連発し合っていたら、ふたりして本気でデザートにはティラミスしか食べたくなくなり、デザートは断って会計をお願いした。彼はすぐさまiPhoneで”ティラミス、福岡”と検索している。(もちろんどこもひっかかるはずはない)


どうぞと会計を差し出した店主の両腕には、目を見張るほど鮮やかにタトゥーがびっしりと彫り込まれている。

おもわず反射的に「タトゥーはあとは体のどこに入っていないのですか?」と聞いてしまった。

前に来た時には、神経質そうな話方の店主だと思ったが、今日は印象が少し違うように感じ、彼はちょうど海パンを履いた時にあたる部分を指し、「ここのあたりが無地の肌で残っています。」とにこにこしながら答えてくれた。

何かモチーフがあるのかと聞くと、「実は全部ピッツァに関することを彫っているんです」と、ぐいと腕をまくった。左腕にはピッツァを持つ招き猫や、二の腕の裏側にはナポリの守り神やイタリアの道化師など、なるほど、ピッツァやイタリアに関するものが鮮やかに描かれている。

へ~!ほ~!とまじまじと腕を見入っているわたしたちふたりを、彼はやっぱりにこにこと笑いながら見ていた。


ご馳走様でした、また来ますとコメディアン(スタッフの人)たちに手を振り、見送る時にくれた抹茶のビスコッティをふたりしてポリポリ食べながら、夜がすすんで少しだけ冷たくなった風を心地よく感じ、わたしたちはティラミスを目指してその店をあとにした。


M



2013年3月27日水曜日

関係は生き物みたいに


「人との関係」って生き物みたいにぐにゃぐにゃ変化してかたちを変える

今まで全然自分とはジャンル違いだし接点ないな、なんて思って一歩ひいていた相手と、もしくは人たちと、突然ぐん!っと近くなる瞬間があったりして、そこからまた想像もしていなかった関係にかたちが変わる、とか

今まで、もうそれこそあの人との関係は変わんないだろう、なんてあきらめていたかたちが、自分が気づかないうちに徐々に徐々に変化してて、あれ?って気づいた時にはまったく違う、それこそ素敵なかたちに変化しているってこともある

表面だけペラって切り取って見られると、大した関係じゃないな、なんて思われることでも実はそれにどれだけお互い助けられているか、自分とその相手にしかわかんないこともある

でも、実はきっと前から”変えたい”ってやっぱり思ってたりしてて、結局それは自分が働きかけてるんじゃないかって
「関係」はこうだからって、相手の人の気持ちとか状況なんて考えてたら、ほんとにぎゅっと固まって動けなくなってしまうので、そういうのは考えず、けっきょくは自分の気持ちの方を相手にちゃんと伝えたほうがいいって思う

Asperge

なんでこんなこと書いてるのかというと、この1週間くらいの間で、突然3人の人からそういう相談を受けたから、自分の中でもいろなことを考えた

それと、自分でも最近素敵な関係の変化を見つけたこともあって、本当は言葉にして伝えられたらいいんだろうけど、ちょっとむずかしい、というかちょっと気恥ずかしいのでこうやって気をまぎわらしている


桜の季節だからだろうか?
なんだか最近自分のまわりとの関係がいろいろぐにゃぐにゃ変化していっていて、
それを感じている敏感さの中にいるのもとても心地よくて

今年はお花見に行ける機会がなさそうだけど、心地いい間の中にいて、こうやって心の中でも季節を感じることができる

素敵な春の訪れを

Kakocrezzzysfvqv9fie


2013年2月25日月曜日

最近、親戚みたいなイタリア


この間、大好きな人と一緒に行ったワインバーで、
イタリア人の素敵なおじさんに出会った
福岡に来て40年の彼の日本語はとても流暢で、基本は標準語なんだけど、時々自然に博多弁が出たりして(それもわたしにはまだマネができない程完璧なイントネーションで!)、とってもチャーミングなムッシュだった

こうやってバーとかで隣に座った人と仲良く話すって、相手のことをまったく知らない状態なので、会話の糸口はその人の特徴から質問してみたり、その時飲んでるワインの味についてだったり、ほんとうにささいなこと
この夜は、”イタリアの方ですか?”だったわけで

Simg_6537_3 
でも、つい3週間ほど前、他の友人と行ったあるバーでのこと、円卓を囲んでお客さん同士が座るというスタイルのお店だったので、たまたま隣になった外国人に話かけてみた
”どこの国の方ですか?”
”オーストラリア人です”
”へー、ヨーロッパの方かと思いました”
この↑わたしのひとこと自体がまず気に入らなかったらしく、
”日本語上手ですね”って言ったら、
”十年以上住んでいたら当たり前でしょ”って、さして流暢ではないイントネーションで言われ、ちょっとその言い方に棘があり感じが悪かったので、”5年しかいなくても上手な人もいるもんね”って自分の友人に話して、もうそれからそのオーストラリア人には話しかけなかった

それから友人と英語についての会話になり、二人で話をしていたら、突然、
”Fack up! You are stupid!”とわたしに向かって叫びだした

本当にいきなりだったので、”は?”ってなって、”え?”ってなったら、
”隣に外国人が座ったからって何で英語の話題なんてするんだ!普段だったらそんな話題しないくせに!ずっといつでも自分は日本で外国人って差別を受けてきて、ほんとに腹が立つ!Fack up! ”と

意味のよくわからない理屈で怒っている...そして、いくら英語が話せないわたしでも、Fack up! くらいは分かるし、こんなこと一生言われることなんかなく生きていけると思っていた
で、相当腹が立ったので、”そんなに嫌だったらオーストラリアに帰れば?”と言ったら、相手はヒートアップ!英語でののしり言葉を吐いて、わたしは英語では言い返せない状態(興奮しているので、フランス語とか混じって、相手も”??”とかなったりして 笑 )

とにかくそのコンプレックスだらけのオーストラリア人が店から立ち去ってその場は収まったんだけど、わたしには相当ショックが残った

Simg_6491


自分の国籍でない国にいるということは、その場所では「外国人」になるわけだ  それがどんなに嫌だと言ってもどうすることもできない わたしだってフランスにいた時は「外国人」で、それこそたいていのフランス人はアジア人の区別はつかないので、平気で「ニーハオ」って街で話しかけてくる でもそんなのわたしにとっては別にどうってことがなかった
フランス語が流暢に話せないってだけでほとんど無視状態も経験がある
そういうのがどうしても嫌なら、自分の国に戻ればいいと思う  そして、人に文句を言いたいなら、その国の言葉でののしれよ、と思う

Simg_6542 

でも、自分の立場なんて本当にそのシチュエーションで変わる  どんな立場で、どんな風に人が傷ついたり嫌な思いをするかなんんて、やっぱり全部は想定できない 知らず知らずのうちに差別していることもある
ただ、自分以外の外には本当にいろんな人がいて、肌の色とか髪の色とかいう人種とか外見だけじゃなくて、たとえそれが同じ国同士でもいろーんな人がいて、考え方とか生き方とか自分と違うことの方が多いっていう当たり前のこと自体を、ちゃんと認識していた方がいいなって思う

それに、やっぱり、バーで偶然にでも隣に居合わせた人とは、できるだけ美味しいお酒を飲みたいと、それだけは思う

Simg_6551


って、こんな体験をつい3週間ほど前にしたので、今回のこのイタリア人のムッシュとの出会いがどれだけホっとさせたか... 本当に心地よい素敵な夜だった


そうそう、そのムッシュが笑いながら言ってた
イタリア人が言われて腹がたつ言葉...
”わー!美味しい、このイタリアワイン! フランスワインみたい!!”
言いかねない、この勝手な最後のフレーズww

Simg_6544


美味しいものを食べたり、美味しいものを飲んだりするのは、やっぱり心地いい相手とがいい  会話で相手を心地よくさせることも大切なこと
小さなことだけど、やっぱり大事なことだと思う
それが大好きな人とだったら、なおさらいい夜になる


Buona serata♡

2013年2月13日水曜日

また、バスに乗って


引越ししてから二週間、荷物を整理したり、いろんなものを買い揃えたり、休みのたびに外に出て、あわただしく、いつもナチュラルハイ的なテンションで、引越しの報告をしたり、初の一人暮らしを充実させるために楽しんでいた

で、やっとひととりが揃い、部屋でキャンドルなんか焚いちゃったりする余裕がでてきた先週半ば頃、ポンっと何の予定もない休みの日ができた
外は雨で昼すぎに目が覚めて、なんとなく思い立って無性に映画が見たくなって、調べたらずっと見てみたかったフランス映画が1館だけで上映、15時から
よし、行けるなってバスに乗って見に行った
 
Dsc_0019_2 

ぼーっとバスに揺られながら外の風景を見てたら、ふっと、こういうの、パリで同じこといっつもしてたなって パッと思い立って映画とか美術館に行こうってバスに乗ってる で、だいたいそういう時は雨で、外の景色をぼーっと見てる
またここに戻ってきた

Images_1_4   

何年かぶりの久しぶりのひとり映画で、しかも見たかった映画で、すぐに泣くタイプなので案の定泣いてすっきりして、またバスに揺られて帰ってきた



で、夜ご飯も食べて、ゆっくりお風呂も入って、残ってたワインがあったのでめずらしく家でひとりで飲んでゆっくりしてたら、2杯目くらいの時にストンって、なんとなく急に、さみしくなった  いや、実際は”さみしくなった”っていうのはちょっと違うくて、ひとりなんだっていうのを、ギュッと感じた

で、急に思い立ってパリにいた時の友達とかの写真を何枚も何枚もプリントアウトして、トイレの壁中にピンでベタベタ留めた  ワイン飲んでの夜中のテンションなので、2時間くらい集中して、そのままバタって寝た


3


次の朝寝ぼけながらトイレ行くと、一瞬忘れてて、わ!ってなって
普段なら友達の写真とか壁に貼ったりするタイプではないので、なんとなくひとりなのに気恥ずかしくなったけれど、
あー、やっぱりいろいろ求めてるのがここにぎゅっとつまってるんだろうなって、変に前の日の自分がいじらしく思えて、それで、そのままにしている

昨日仲のいい友達たちが引越し祝いで、ちっこい家にギュウって集まってくれて、本当はトイレの壁が恥ずかしくて、一瞬はずしておこうかと思ったけれど、やっぱりきっとこれが今は必要なんだろうからって、けっきょくそのままにしておいた

5

最近、自分の求めているものが少しずつ、すごくシンプルに認識することが多い
何かから思い切って離れることができたり、何かを思いきって捨てることができたあとってこういうのがあるんだなって、ひとりで納得している


ちょうど引越しして20日目、やりたいことがたくさんあって、何からしようかなんて思ってて、また具体的な楽しみになってきて、やっぱりまたナチュラルハイ
(いや、実際、ナチュラルってのは嘘で、いっつも誰かと酔っ払ってるけど...w)

2


2013年1月31日木曜日

曖昧な関係


引越しをして一週間、家の中のダンボールが全て消えて、やっと落ち着いた
引越しする前は、さみしい気分になったりするんだろうなーなんてぼんやり想像していたけど、意外に、っていうかけっこうなんだか楽しくて快適な気分で過ごしている 家が心地よすぎて読書が進んだりする

Boucheronquatre04


で、引越し最中に整理していた本の中から、ポロッと田辺聖子の「苺をつぶしながら」がダンボール箱からなぜか落ちてて、そのまま引越しの日バッグに一時的にサッと入れていたのが出てきたので、何の気なしに10年ぶりくらいに読み返したら、
また、「なんでこんな本をこのタイミングでなんで選ぶんだろう」現象
やっぱり結局わたしは離婚ってことを選ぶしかなかったんだろうなーなんて変に納得しながら、いろんな人に会う度に、聞かれたら「離婚しました」って近況報告をしている


Boucheronquatre01


で、人の反応はほんとそれぞれで、「大変だったんだね、がんばって」もあれば開口一番「おめでとう!」もある
どれもわたしにとってはしっくりで、且つどれもぴったりではない
ただ今回本当に単純にびっくりしたことは、多くの既婚女性のほとんど(全員じゃないよ、一応ね)の「いーなー、いちぬけた感だよねー」的反応の多さ!え、そんなにみんなそういうの内に秘めてるの?ってこっちがびっくりしてしまった
まあ本気の人もいれば、軽いノリで言ってる人ももちろんいるんだろうけども



でも、反対に同じく離婚したことがある人と話しをしていて、「結婚って」ってことで本当に意見がぴったり一致したのが、「結婚...って、よくわからない」ってことだった
いい、悪いもまったくない 本当にそのまま、
とりあえず、本当に率直な素直な気持ちとして、”よくわからない”のだ

Boucheron28


子供のために結婚するなら、すごくよく分かるし、わたしの中でもしっくりくる
家族を作るって素敵なことだし、家族を守るって大切なことだと思うから
フランスでは今、ゲイ同士の結婚の合法化法案でニュースは持ちきりだけど、それを考えているとどうしても養子の問題が浮上する
いろいろ複雑なのでこのマリアージュ・ゲイについてはここでは発言を控えようと思う。ひとついえるのは、まず先に、子供のことを考えるべきだと思う。

Boucheronquatre03 

とか考えていると、うーん、ますますよくわからない
もちろん財産分与とか法律的な問題ややり易さは今の日本では、あると思うんだけど、
それこそ単純な問題、人と人とが一緒に暮らしていくって、「日々の思いやり」が必要不可欠でそれこそ地味な努力の連続だったりする  でもそれって結婚したからって無くなる問題でもないし...
本当に、だからって結婚に反対とかでは決してなない 素敵な夫婦もたくさん知っている
ただただ、今の時点のわたしにはよくわからないもの

Boucheronquatre07

ってことで、よくわからないことは、とりあえず保留!
ただ、結婚しててもしてなくても、カップルはお互いがきちんと精神的にも経済的にも自立しているってことは本当に大事なことだと思う
なのでとりあえず自立!

Simg_6368